ちょうど一ヶ月前、携わっているフリーペーパーの取材で、韓国に行ってきた。
韓国のソウル市内にある日本人旅行客向けのサウナサロンがスポンサーにつき、そのお店を取り上げるためだ。
とはいえスポンサーとはいっても、もともと繋がりのあった企業だったので、
その関係もあって広告料はほぼ原価分。なので当然取材費も節約。
ということで、同行スタッフの人件費を節約するために、日帰り取材を敢行することになったのであった。
個人的な話をすると、初の海外。(まあ元々沖縄出身なのでどこにいくにも“海外”だったわけだけれど)
このためにパスポートを取得し、少々不安と期待が入り混じった感情を持て余しながらネットで「初めての海外ガイド」などを閲覧。
税関ってどうするんだとか、韓国ウォンへの両替はどうしようとか・・・。
そんなこんなで当日。8時に成田空港の出発ロビーで同行スタッフと待ち合わせ。
成田空港自体も初めてなので念のために30分前には到着しようと、日暮里からスカイライナーで成田へ。
空港では10万ウォン分両替(そのときのレートで約8000円くらい)して準備万端。
そして特に問題も無く税関を抜けて、韓国へ出発!
まぁ海外とはいえ、飛行機のフライト時間は沖縄とほとんど変わらない。あっという間にソウルに到着。
そこで出迎えてくれる現地の担当者さんと合流。そのおっさん、日本語が怪しいくらいにうまい! でもどことなく胡散臭い。
確か出発前にうちの常務から「多分現地ではなんか胡散臭い人が出迎えてくれるよ」と言われていたが、確かに胡散臭い。
とはいえこの方には最後までとても親切に通訳・ガイドをしてもらい、キムチのお土産まで貰ったのだから、こういっては失礼だけれど。
さて韓国。正直パッと見は日本人も韓国人も分別がつかない。手配していただいた車に乗り込み、空港からソウル市街へ。
時間は既にお昼時。市内の焼肉屋さんで昼食をご馳走になることに。
その焼肉屋、日本人観光客向けと思われる怪しい日本語が至るところに貼られている。
「アサヒビーレ」とか「ウーロソ茶」とか突っ込みどころ満載だが気にしないことにする。
焼肉は、韓国でいうところの本場の「プルコギ」。味付けも焼き方も日本とはぜんぜん違う。
真ん中が盛り上がったプルコギ鍋(ジンギスカンに似ている?)の真ん中にタレに付けた薄切り肉を置き、鍋の下に落ちて溜まるタレをつどスプーンですくって肉にかける。そうしないと肉がすぐに焦げてしまう。
そうして焼いた肉も辛みそをつけてサンチュで巻いて食べる。うむ、旨い。ビールが飲みたくなったがここは我慢。
チゲやキムチなどもご馳走になり、結構満足の昼食となった。
そういえばビールで思い出した。出発のフライトで久々に機内食サービスを受けたとき、韓国人のCAさんに「お飲み物は?」と聞かれ、「水」と答えたら「ビール」が出てきた。朝っぱらからビールを飲むことになったのはご愛嬌。
ちなみにそのCAさん、若干発音がおかしくて、「コーヒーいかがですか?」という呼びかけがどう聞いても「コイいかがですか?」に聞こえ、「恋いかがですか?」と脳内変換して何かの脚本にネタとして使えるかしらんと一人ほくそえんでいた。
「恋いかがですか~?恋ありますよ。あたたかい恋いかがですか?」って売り歩いたら、なんだか面白そうなストーリーになりそう。
昼食後は早速サロンの取材。とはいえ女性専用サロンなので中に入れない。そこで例の怪しい通訳のおっさんと共に、姉妹店である男性も入れるサロンへ。
そこで韓国伝統のサウナ「汗蒸幕」というものを体験。
この「汗蒸幕」、ヨモギを焚いた温室の中に麻袋を頭から被るというサウナで、確かに普通のサウナよりも汗がどんどんと出る。結構気持ち良いかも。
「汗蒸幕」を楽しんだ後はアカスリ初体験。男性スタッフの指示に従って体中をゴシゴシ。アカスリ後は確かに体がサッパリした気になる。
入浴後は通訳さんに勧められるがままに高麗人参・生ジュースを飲むことに。これがまた結構しんどい。もともと飲みづらい高麗人参をすりおろし、牛乳とリンゴとはちみつを混ぜて飲みやすくしたもの。
確かに飲みやすくはなったものの、ビールのジョッキになみなみ注がれたので、コップ半分くらいでほぼギブアップ状態。でもさすがに飲み干さなければと15分くらいかけてチビチビ飲み干したのであった。
息が高麗人参くさくなったところでようやく取材陣と合流。フライトの時間まで少し時間があるので、ソウル一の歓楽地である「明洞」(ミョンドン)へ行くことに。
車を停め、歓楽街を歩くと、いたるところで日本語が聞こえてくる。どうやら日本人観光客が集まるスポットらしい。
そして至るところにIKKOさんの等身大パネルが! 「日本No.1メイクアップアーティストおすすめの店!」ばかり。そしてその店内は日本人だらけ。なんだかなぁ。
その「明洞」にはナイキショップやらCDショップやらブランドショップやらが立ち並び、今や日本には無きダンキンドーナツなどもあって、普通に楽しめそうな感じ。でも今回は自由時間が20分だったので、結局何も買わぬまま後にした。
ちなみに今回の韓国旅行で唯一撮った写真が、これ。
Image054.jpg
単純に「明洞」の町並みを撮ったもので、正直写真で見る限りは都内のどこかと変わらないのが切ない。
あっという間の取材旅行、早くも帰りのフライトの時間。両替した10万ウォンは結局まったく使わぬまま。このまま日本円に再度両替しても為替ルートの関係でほぼ半分になってしまうため、何とか使い切りたいところ。
空港内の売店で会社へのお土産などを購入。“10万”ウォンも持っているとなんだかお金持ちのような気がしてくるけれど、お土産の石鹸などが数万ウォンするので、なんだか変な感じ。こんな感覚も海外ならでは?
最後に通訳さんと先方の社長さんに夕食をご馳走に。空港の軽食コーナーで冷麺をいただく。
しかしこの軽食コーナーがまたひどかった。何がって、エセ日本語が。
「ビビンバ」を「ヒピソパ」と書かれていて、思わず「一文字も当たってね~し!」と突っ込みたくなった。
軽食コーナーではWBCアジア予選の韓国の試合が流れていて、みな真剣に観戦していたのが印象的だった。まさかこの後日本と何度も死闘を繰り広げるとは、その時は夢にも思わなかったが。
夕食後、「ありがとう!また会いましょう!」という言葉と共に、お二人からお土産をいただく。中を見るとキムチと韓国海苔。ベタなお土産だけれど、ベタ過ぎて種類が多く何を選んでいいのか困っていたので嬉しいお土産である。
お二人、とくに通訳さんには本当にお世話になったなぁと思う。しょっぱなから「胡散臭い」なんて感想を抱いたなんて、本人に言えやしない。何せ副社長だったし。
とここで終われば感動的な良い取材旅行だった、と言えるのだけれど。
最後にオチが。
見送る二人に手を振り、二人が見えなくなったところで税関を通ろうとすると、「あ、これキムチですね。キムチは持ち込めませんよ」と通告が。
結局、空港の手荷物カウンターまで戻り、キムチだけ別で預けることに・・・。そしてそのカウンター係りの男性に、「あぁ、キムチですね」ってにやっとされたときにはなんとも脱力感が・・・。
そんなこんなの日帰り韓国取材旅行。帰宅できたのは既に日付が変わっていたけれど、お土産に貰ったキムチを見ながら「なんだかんだ韓国、キムチ良かったなぁ」なんて感想を抱いたのでした。
おあとがよろしいようで・・・。

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