蒲田行進曲

5月5日。こどもの日。
15時半、蒲田の地を踏む。
以前勤めていた会社のお得意先がこの地にあったので何度か訪れたことはあるが、なんだかんだ一年以上振りである。
15時45分、これまたほぼ一年ぶりにY本氏に会う。前回は確か岩手に住む先輩・丈Tが東京に来た時に飯田橋の居酒屋で会った。
そんなY本氏が結婚していたことを知ったのはつい最近。今日はその細君が企画した蒲田巡りを行うのだ。
16時過ぎ、Y本夫妻と共に3人で、目的地である蒲田温泉に到着。外は結構な雨模様である。「はじまりはいつも雨」、ASKAな気分。
雨に濡れて少々体も冷えたところで、赤のアーチがなんともいえぬ慕情を誘う温泉の中へ。既に二階では歌謡ショーが始まっているようで、かすかに歌声が聞こえてくる。なんか昭和だ。
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さっそくY本氏と共に男湯へ。客層はやはり老人が多いが、20~30代の男性もまばらだが居る。まずは体を洗い、蒲田温泉名物の真っ黒な湯に浸かる。熱めと温めがあるので温めに浸かるも、水温は43度であっという間に体が熱くなる。
体を冷ます間もなく、なぜかサウナへ。更に体が熱くなる。そして10分耐えて汗だくになった後は菖蒲湯へ。さすが温泉素人。ペース配分がわかっていない。
そもそも、沖縄人は温泉慣れしていない。何せ自宅の湯船に浸かることもまれで、ほとんどはシャワーで済ましてしまうのだ。そんな状況なので、個人的にも温泉はほとんど経験が無く、ましてや町の銭湯などほとんど無い。
(高校生の頃は部活帰りに帰り道にある小さな銭湯に通っていた頃もあったが、あくまで“銭湯”であり、湯船しかない銭湯だった)
そんなこんなで、最初の10分で既にのぼせ気味になってしまった。少し体を冷ませようとシャワーで冷水を頭に浴びるも頭痛は治まらない。5分ほどそれを繰り返してようやく良くなった。
次に狙うは“電気風呂”である。入った瞬間、エレキテルの刺激が体中を駆け巡る。何とか腰を下ろすも、持病である腰に違和感が。でもその違和感、なんだか懐かしい感じ。高校時代にバスケ部で腰を痛め、しばらく治療に通っていた頃の電気治療を思い出した。
腰は腰でいい感じなのかもしれないが、腕を湯の中に浸けるとひじをぶつけた時のビリビリがMAXな感じで駆け巡るので下ろせず、そうしているうちにふくらはぎが攣りそうになったので慌てて“電気風呂”を出ることにした。
結局落ち着くのは菖蒲湯だった。水温もちょうど良い。5分ほど菖蒲湯を満喫したあと、同じくのぼせ気味になったY本氏と共に上がり、1階の待合室で風呂上りのビールを楽しむ。う~む、ポカポカの体にキンキンのビールが染み渡って旨い。
その後はY本氏の細君が上がるのを待ち、3人揃ったところで蒲田温泉を後に。テーマ曲がCDで販売もしている“蒲田温泉”、雰囲気も含めてなかなか侮りがたし! 昭和を感じながら心地よい時間を過ごしたい方は、ぜひ蒲田へ。
さて終盤戦。蒲田温泉を後にして約10分。京急蒲田駅そばの餃子専門店“ イ尓 好”(ニーハオ)の新館へ。この餃子店、元祖羽付き餃子として有名という。Y本氏の細君が師と仰ぐ泉麻人氏も“キリンビール大学”内にて訪れた店という。
個人的には餃子を食べるためだけに何度も宇都宮に足を運び、池袋の餃子スタジアムにも足繁く通うほど餃子好きなので、そういう話を聞くだけで垂涎もの。ワクワクしながらお店へ。
お店は18時開店。5分ほど早く着いてしまったので、入れるか心配しながらお店のドアを開けると、なんとほぼ満席。開店時間前なのに満席とは、あらゆる意味で恐るべし!
一番奥の席に通されると、なんだか微妙に照明が暗い。その薄暗さと数席を陣取っていた学生サークルが醸し出す喧騒があいまって、中国っぽさを演出している。なんだかいい感じ。
まずはキリンビールで乾杯。そして焼き餃子に水餃子、蒸し餃子に揚げ餃子が到着。どれもウマイ!
奇をてらうわけでもなく、本当にオーソドックスの味ながら、宇都宮のそれとは一線を画す味。その秘密はもっちり感がたまらない自家製の皮にある。そして元祖の名に恥じない“羽根付き”のカリカリ感もたまらない。うん、うまい。ビールが進む。
そのうまい餃子を酒の肴に、結局22時くらいまでの4時間も楽しんでしまった。
本日初めて会ったY本氏の細君は、音楽も含めて独自のセンスを持っていて、会話をしていてとても面白かった。Y本氏とお似合いのカップルだと率直に感じた。
次もまた東京のどこかに、共に遊びに行きたいと思う。
最後におまけで蒲田のカーネルサンダース公を。こどもの日限定。
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